駅伝シーズン真っただ中です。アディダス社のアディゼロ プライムXを履いている選手を見ませんが、駅伝なら履いてもいいはずです。ただし、速く走れるようになるかは分かりませんが。
アディゼロ プライムXは、ソールの厚さが50㎜のシューズです。WAが規定しているシューズのルールにおいてロード競技で使用するシューズはその厚さが40mm以下と定められています。9月12日に開催されたウィーンマラソンにおいて、2時間9分22秒で優勝したデララ・フリサ選手(エチオピア)は、アディゼロ プライムXを履いていたため失格となりました。 では、なぜ開発されたのかでしょうか、アディダス社の広報担当者によれば、意図的に世界陸連のガイドラインから外れて作られたシューズであり、エリートアスリートのためのトレーニングシューズとして作られたとのことです。
駅伝ならアディゼロ プライムXを履けると考える根拠です。日本陸連の「シューズ規程改定に関するQ&A」を見てみます。
■(ルールの適用)
Q 今回の改正はすべての駅伝大会に対象となりますか?全国大会などにつながらない地方の駅伝ではどのような対応を取ればよいのか教えてください。
A 駅伝は、公認競技会として申請している場合でも公認記録とならない場合がほとんどであるため、基本的には計測の対象外となります。詳細は、道路競走についての靴底厚計測対象競技者のタイム参考資料をご確認ください。
参考資料です。
「靴底厚計測対象競技者のタイム(参加資格記録 or 当日達成記録) 参考資料」
公認競技会において、本連盟の登録会員かつ以下の参加資格記録を有する競技者は、靴底の厚さの測定をレー ス前に測定して参加する。
また、レース前に対象になっていなくてもレースにおいてこの記録を達成した競技者はレース後に靴底の厚さを確認する。
学生・一般を対象とした陸連公認道路競走(WA 公認コース)での靴底厚計測対象記録
駅伝 | 5km | 10km | 15km | 10マイル | 20㎞ | ハーフ マラソン | 30㎞ | フルマラソン | 100㎞ | |
男子 | 計測不要 | 14ː30 | 28ː50 | 45ː00 | 49ː00 | 1ː00ː20 | 1ː04ː00 | 1ː36ː00 | 2ː21ː00 | すべて |
女子 | 計測不要 | 16ː00 | 35ː00 | 53ː00 | 57ː00 | 1ː13ː00 | 1ː18ː00 | 2ː00ː00 | 2ː56ː00 | すべて |
(注1)日本ランキング 200 位相当に記録設定する。
(注2)中高生対象/普及目的の 5km、10km といったレースは対象外とする。
(注3)駅伝競走
公認申請していただいている公認競技会もありますが、記録については一部の競走を除いて公認されない。そのため規則第 143条 5,13については非適用とし、靴底の計測は行わなくて良いこととする。
※適用競技会=ロードリレー
(42.195kmの公認マラソンコースを用いて、5km,10km, 5km,10km,5km,7km195の区間で行うもの。世界記録公認の対象)
公認のレースにおいて、プロトタイプのシューズは、靴底の規定を守りWAの承認を得たシューズで12カ月の開発期間終了後は一般販売するというルールを守れば使用できます。ですが、駅伝の記録が公認されないのなら、このルールも適用されないと考えられます。
世界陸連のランキング制導入の目的は、オリンピックや世界陸上の参加標準記録突破期限が近付くと突破者が増えるという事象があり、記録の信ぴょう性の担保を狙い導入されています。その理由を知ったときは、滅茶苦茶な国があると思いましたが、世界陸連の定めた駅伝のフォーマットがある中で、それとは全く違ったフォーマットで駅伝を開催している日本もなかなか変わった国です。